たぶん、『花束を』なんてタイトル、まりのさんが見たら「こんな恥ずかしいの、つけないでくださいよー」なんて言われるに決まってるんだろうな。
けどいろいろと考えたけど、結局これにしちゃいましたよ。
私も自分でダサいと思うんだけどさー…でも、お互い趣味でSFってぇもんは好きだったわけだしね。
だからとりあえずごめんなさい。

いつだってあなたは、僕にとっては最良の相談相手であり、
意義ある無駄話の相手でした。
まりのさんとの会話のキャッチボールは自分の思考の指針となり、
理論やアイデアを発展させる源泉でもありました。

そんな会話を何時間も電話で話し合っていたもんですね。
気がつけば6時間も…なんてこともあった。

あなたは私という作家の最大の理解者でもありました。
世界中の誰よりも、
あなたさえ理解してくれていれば満足でした。
思えば、出逢って以降はそんな気持ちでずっと漫画を描いていたように思います。

僕のあなたへの敬慕の気持ちはどんな言葉を連ねても書き切ることは出来ないでしょう。
だから、少しずつの断片でも、記していこうと思います。

表現者として最も尊敬し、
また友としてあなたを慕って止まなかった。
ほんとうに、兄のような存在でした。

あなたを亡くして確実に判ったのは、「ああ、これで自分の青春時代というものが確実に終焉を迎えたのだ」ということ。
たぶん僕がまだ十代の頃、『ぱふ』であなたの同人誌を初めて見たときからずぅっと憧れ続け、プロになり知り合ってからはいちばんの友人として付き合ってくれたあなたを、僕はずっと追いかけていたように思います。
そうしてあなたに認められていることが私にとっては最高の幸せであり、誇りでした。
そんなあなたという水先案内を喪い、これからは私は独りで船を漕いで行かなければいけない…今、自分はそんな気持ちでいます。

まりのさん。
僕はあなたの見れなかったところまで行くよ。
どうかどこかで見ていてくださいね。